比売許曾神社

 この神社は近鉄鶴橋駅から北東の方面に歩いて約5分のところである。ビートたけし主演の「血と骨」はこの近くを舞台とした作品である。この神社は朝鮮神社、渡来系神社の代表的なものとされている。
祭神は赤留比売(アカルヒメ)、スサノオ仁徳天皇、用命天皇であるが主な祭神はアカルヒメである。このアカルヒメは新羅の王子アメノヒボコと夫婦であったが夫アメノヒボコのわがままに耐えかね日本に逃げていた。それを追いかけたアメノヒボコは北九州→瀬戸内→難波へとやってきたとされている。
 このことは『アメノヒ(天に輝く太陽)ボコ(鉄製武器)』を中心とする一族が朝鮮の先進文化技術を持って渡来し、それらの地方で一定の勢力を築いたものと考えられる。朝鮮の先進文化とは鉄の冶金、鋳造技術であり先のルートはその文化が伝わった経路であると考えられる。
ところで比売許曾の許曾(コソ)とは古朝鮮語で「神」の意味を持っていると考えられる。つまり、この「コソ」が入っていることは朝鮮系の神社であると考えてほぼ間違いない。
 この他にも「コソ」の付く神社としては東住吉区の阿麻美許曾神社、東大阪市の波牟許曾神社、又、渡来系神社の多い滋賀県近江国浅井郡の上許曾神社などがある。